英会話が出来ると、どんなメリットとどんなデメリットがあるのでしょう?
私が約20年間、英語を使って海外と関わる仕事を経験してきたことを基に、ビジネスの場面において英会話が出来ることのメリットとデメリットを検証します。
「英会話、始めようかな、どうしようかな」という方はぜひ参考にしてください。
目次
英会話ができることのメリット
まずはビジネスの場面で英会話ができることのメリットをいくつか紹介したいと思います。
あなたにも関係する事かもしれませんよ?
異文化に直接触れることで知識・見識が広がる
ビジネスの場面でも、一個人としても、私はこれが一番大きなメリットだと思います。
英語でコミュニケーションを取る相手は当然外国人になるわけですから、日本人同士では全く想像の付かないことがよくあります。国・文化が違うので当然と言えば当然ですが、そういった多様性に直接触れることで、自身の知識・見識が広がることが最も大きなメリットです。
あなたが転職をしようが、身に付けた知識・見識はあなた自身のものですので、一生の財産になります。
また、様々な経験を積むことで、ビジネスに対する柔軟な発想や応用力が養われるという二次的な効果もあります。
間接的に専門的な知識が身に付く
英会話ができることによって、専門的な知識が間接的に身に付きます。
どういうことかというと、技術的な内容や専門的な内容を英語で説明する場合が結構あります。そのためにはまず自分が理解していないと英語に訳せません。ですので、嫌でもその分野の知識を身に付けることができます。
私が毎日50通の英文メールを書いていた時期のことですが、大体開発部の方は英語が苦手です。ですので、お客さんからの質問に対して開発部から日本語で回答をもらいます。それを自分が理解できない内容を質問に行って、自分が理解してから英語に訳す、というサイクルを続けたおかげで、かなり技術的にも詳しくなりました。
こんなことを1年くらい続けていたら、ある程度のことなら開発部に聞かなくても自分で回答する、もしくは開発部に確認するだけで済む、ということができるようになっていました。
こうなると、お客さんからも開発部からも手間が省けるので重宝される人材になれます。企業によって開発部以外にも色々な部署と関わると思いますが、その分野の知識を身に付けることができることは大きなメリットです。
仕事の幅が広がる
英会話ができると、当然ですが、できないよりは任される仕事が増えます。
海外関連部門への異動があったり、新たに海外プロジェクトを立ち上げる際のメンバーに選ばれたり、と今よりも仕事の幅が増えることがあります。
まだまだ英会話が十分なレベルの人材は少ないので、英会話ができる人材は企業にとっても貴重です。
昇格・昇級試験に有利
私がいたある会社では、ある時期から昇格試験にTOEICのスコアが必須になりました。
急にそんなこと言われても困ってしまいますが、会社が決めたことなので文句を言っても仕方ありません。
隣の部署に国内営業一筋の50代のベテラン営業マンがいました。今まで英語を必要とすることもなかったため、全く英語ができず、覚える気もなかったので、係長以上にはなれませんでした。
キャリア的にも実力的にも、課長になっても十分な方だったのですが、「いいんだよ、俺は!」と頑なに英語の勉強を拒んでいました。
ちょっと特殊な例かもしれませんが、昇格・昇級試験にTOEICを取り入れる企業は増えていますので、英会話ができれば有利なことは言うまでもありません。
会社のお金で海外に行ける
ちょっとよこしまなメリットですが、会社のお金で海外に行けるというメリットも見逃せません。
昔に比べれば手軽になったとは言え、なかなか気安く海外に行けるものではありません。ですが、英会話ができれば海外出張や海外赴任の仕事は優先的に回ってくるでしょう。
今は新型コロナのため、海外出張は難しいですが、いつかまた海外出張に行ける日は必ず来ます。そのためにも、英会話力は鍛えておいて損はありません。
英会話ができることのデメリット
では逆に、英会話ができることでビジネス上でどのようなデメリットがあるのでしょうか?
正直に言えば、デメリットというほどのものではないかもしれませんが、私が経験したなかからいくつか挙げてみます。
英語に関する仕事は何でもまわってくる
私は基本的に海外営業だったのですが、日々のコレポンはもちろん、英文で契約書を作ったり、新規開拓のセールスレターを英語で作ったり、と営業に関する仕事は当然自分でやってました。
ですがたまに「これ自分の仕事かな?」と思うような仕事が回ってきます。
ある時、先輩がアメリカで子会社設立のためにアメリカの弁護士に相談していたらしいのですが、上司と喧嘩して辞めました。当然弁護士からはその分の費用請求されていたのですが、その上司はずっと無視してました。
何だかんだでその上司もいなくなり、自分が担当になった時にはもう弁護士ブチ切れてて、「〇月〇日までに振込が確認できない場合、法的手続きを取る」と最後通告のレターを受け取りました。
「自分、一切関係してないんだけど・・・」と思いながらも経理部長と社長に状況を説明し、ブツブツと文句を言われ、弁護士側にも状況説明したうえで、費用を振り込んで丸く収まりました。
こんな感じで、よくわからない仕事がまわってくる時があります。
時差によっては仕事が終わらない
当然ですが、海外とは時差があります。アジア圏であれば数時間の時差なので、特に気にすることはないですが、問題は欧米担当の場合です。
ヨーロッパの場合は、日本時間の16時頃から動きだします。「もうすぐ今日も終わりだなー」と油断してると、電話一本でそこからまた仕事が増えます。
また、アメリカの場合は大体日本時間の21時くらいが危険な時間帯で、残業も一段落し、「今日も何とか終わったし、そろそろ帰ろうか」と油断してると、これも電話一本で帰れなくなることがあります。
ですので、特に欧米の担当をする場合は、時差に要注意です。
通訳しただけなのに怒られる
これは通訳あるあるなんですけど、自分は通訳しただけなのに、なぜか自分が怒られる、ということがあります。
私の場合、重要な商談は社長と同行して通訳することが多かったです。ある時お客さんのわがままに社長がブチ切れて、なぜか矛先が自分に向かい、「大体お前はなあ!」と、お客さんそっちのけで30分くらい説教されたことがありました。
最後にはめんどくさくなって「私じゃなくて目の前の方に言ってください!」とキレました。
たまにそんなとばっちりを受けることもあります。
英会話ができると、メリットの方が大きい
英会話ができると、どんなメリット・デメリットがあるか紹介してきましたが、いかがでしょうか?
私としては、メリットの方が断然多いと思っています。今回説明した、私の経験上のデメリットなど、大したことではありません。
ですので、たとえ今すぐ必要なくても、英会話ができるように学習しておくことは、あなたの将来のためにおすすめしておきたいです。
あなたが「自分には今すぐ必要ないし」と思われても、会社の都合一つで将来どうなるかわかりませんよ?