英会話が全くできないのに、ホームステイ経験があるという変わった子に会ったことがあります。
以前勤めていた会社にI君という子がいました。彼は英語が得意ではなかったし、今でもできないのですが、なぜか高校時代にオーストラリアにホームステイした経験があるそうです。
その行動力は素晴らしいけど、英会話できないのにホームステイなんて大丈夫なの?と私も思いました。
現地到着、ホストファミリーと対面、あたりまでは何とかなったそうです。
翌日から現地で英会話学校に通う事になっていました。朝、ホストマザーから、
「頑張ってね!はい、これお弁当!」
と渡されたのがスナック菓子2袋・・・
お弁当としてスナック菓子はどうなのか、ということもありますが、育ち盛りの男子高校生がこれだけで足りるわけがありません。
I君は、「オーストラリアではそんなものなのかな?」と思ったそうです。
学校の授業を受け、ランチの時間です。一緒にホームステイに行った仲間は、サンドイッチだとか、おいしそうなお弁当を食べています。ですがI君はスナック菓子だけ・・・
しかもとてもじゃないけど、おなか一杯になる量ではありません。昼過ぎ頃から空腹に耐えきれなくなったそうです。
「これってやっぱりおかしいのかな?」
I君はホストマザーに聞いてみたかったのですが、英会話ができないので聞けません。
2日目、笑顔で送り出してくれたホストマザーからもらったお弁当は、またスナック菓子・・・
「これはやっぱりおかしいだろ!」
心の中でツッコミますが、何も言えません。
2日間空腹に耐えましたが、もう限界だったようです。
帰宅してから、必死に辞書で調べて、
“Lunch, too small”
と言いながら、お腹を押さえるジェスチャーをしてホストマザーに訴えました。
ホストマザーはようやく理解してくれたようで、翌日からはおいしそうなサンドイッチを用意してくれたそうです。
I君、2日間良く耐えました!きっと必死だったんでしょうね。
本来なら中学校で習った英語レベルで言える内容なのですが、そうは言っても英会話となるとなかなかできないものです。