残念ながら、日本人は英語、特に英会話ができない、と海外の人からは思われています。
多くの人は、中学・高校、更には大学まで合わせると10年間英語学習の経験があるはずなのに、なぜでしょうか?
今回は特に英会話力にスポットをあてて、何が課題なのか、どうしたら英会話が上達するのかを考えてみたいと思います。
目次
英会話上達の課題は?
受験勉強では英会話力は鍛えられない
残念ながら現在の日本の英語教育は英会話力、つまり英語を聞く・話す力を伸ばすことが致命的に欠落しています。
学校で学ぶ英語は、はっきり言ってしまえば受験対策です。読み・書きと読解力は鍛えられますが、聞く・話す力はほぼ鍛えられません。
私も中学・高校では英語が得意で、英語だけは常に成績上位だったのですが、外国語学部に進学して大きな壁にぶちあたりました。テキストに書いてあることは読めるのですが、アメリカ人教授の話す言葉が聞き取れない・・・
聞き取れないため、当然話すこともできません。今まで必死にしてきた受験勉強は何だったのかと、虚しくなったことがありました。
アウトプットの場が少ない
アウトプットの場=実際に英語を話す環境は、学生時代だけでなく、社会人になっても少ないです。ほとんどの人は、仕事で英語を必要としないのではないですか?
英会話フレーズや単語をどれだけ覚えても、それをアウトプットする環境がなくては役に立ちません。フレーズや単語を覚えることはもちろん必要です。ですが、最終的にはそれを実際に自分で話さないと意味がありません。
ですが、英語を話す環境を作るということはなかなか難しいのが現状です。
学習方法が学校教育の延長線
ビジネスパーソンの英語学習方法について、興味深い調査結果があります。
TOEIC試験の管轄や各種情報提供・調査研究を行っている一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が2018年~2019年に行った実態調査です。上位5位は次の通りです。(複数回答)
順位 | 学習方法 | % |
1 | 参考書・問題集 | 42.5% |
2 | スマホのアプリ | 39.2% |
3 | 英語の新聞・雑誌・Webサイト閲覧 | 31.7% |
4 | 英語の映画や動画を見る | 30.1% |
5 | CDなどの英会話教材 | 18.3% |
見事にアウトプットの場がありませんね・・・
それはしょうがないです。今までそういう学習方法しかしてこなかったのですから。どう学習して良いのかわからないのです。
英会話上達のためにすべきことは?
では英会話上達のためにはどうしたら良いのでしょうか?
今まで説明した点を踏まえて、考えてみましょう。
アウトプットの場を作る
アウトプットの場を作る。もう、これに尽きます。これ以外の解決策はありません。どうしても英語を話さなければいけない環境を作ることです。
私の場合は、先ほども少し説明しましたが、外国語学部進学で英会話の壁にぶち当たりました。週3回、リスニングとスピーキングがセットになった授業があり、これが2年間続いたおかげで、ようやくそれなりに英会話力が身に付きました。
と言うか、この2年間で英会話力を身に付けておかないと、3年生からの講義は基本的に英語で行われるので付いていけません。結構必死だった記憶があります。
少々荒療治ですが、英語を話さないといけない環境を作り、とにかく英語を話すことが、英会話の上達には不可欠です。
私のアウトプット環境 - 常に仕事で英語が必要だった
ではそのようなアウトプット環境はどのように作ればよいのでしょうか?
これも私の話で恐縮ですが、私は英語を活かした仕事をしたいと思っていたので、大学卒業以来約20年間、海外と関わる仕事をして来ました。
日々の電話・メールはもちろん、時には海外出張で現地に行って商談したり、と常に英語に触れる機会がありました。そのおかげで、社会人8年目にはTOEICスコアが900点を超えました。ちなみに、TOEIC対策の勉強などしている余裕もなく、ぶっつけ本番で受験した結果です。
これはかなり特殊な例だと思いますので、一般的な場合はどうしたら良いのか、もう少し考えてみます。
一般的なアウトプット環境の作り方
では、普段仕事で英語を使う事はない、だけど英会話力を身に付けたい、と思われる人はどのようなアウトプット環境を作ったらよいのでしょうか?
先ほどのビジネスパーソンの学習方法調査について、興味深い傾向がありました。
[スコア帯別の主な学習方法]
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
800点以上
英語の映画・動画、Skypeの英会話、外国人の友人など、”生”の英語を活用する傾向
800点以下
CDなどの英会話教材やテレビ・ラジオの英語講座など、講座や教材などを活用する傾向
つまり、出来る人は”生”の英語を活用するからこそ、英会話力が上達していると言えます。
やはり”生”の英語に触れる環境を作ることが効率的だと言えるのではないでしょうか?外国人の友人を作るのが難しい場合は、オンライン英会話も一つの選択肢だと思います。
英会話上達にはアウトプットの場を作ろう!
「英会話の苦手な日本人」が英会話力をアップするためにはどうしたらよいか、ここまで説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
結論としては、”生”の英語に触れる環境を出来るだけ多く作ることだと言えます。
英語が必要な職についたり、職場や学校で外国人の友人を作ったり、オンライン英会話を活用したり、とアウトプットの場を作ることはそれなりに出来ます。”生”の英語に触れ、どんどん英会話力を伸ばしていきましょう!
意外にあなたのすぐそばに、アウトプットの環境はあるかもしれませんよ?
東洋経済オンラインや産経新聞、雑誌プレジデントでも紹介された英会話