ついにロシアのウクライナ侵攻が始まってしまいましたね・・・
政治的な難しい事や何が正しいのかはわかりません。ただ、海外営業として出来ることをやるだけです。
こういう時、一番大変なのが売上の回収です。
実は似たようなことを以前にも経験していて、資金回収に非常に苦労した経験があります。今回も同じ事が出来るかどうかはわかりませんが、当時の対応を参考までに書いておきます。
何年の事だったか忘れましたが、以下は当時の状況です。
貿易保険を付保してもダメなものはダメ
ウクライナはそもそもカントリーリスクの高い国だったため、銀行からは貿易保険の付与を条件にL/C買い取りを認めてもらっていました。
ある時、L/Cも届き、出荷準備もでき、貿易保険も許可が下りました。
貿易保険の承認を持って船積みをし、B/L等の書類とともにL/C買い取りのため銀行へ持ち込みました。
ところが、ここで問題発生です。
貿易保険の承認が下りてから銀行に書類を持ち込むまでの数日間に、ロシアがウクライナに侵攻する暴挙をやらかしました。何やってくれてんだよ!!!
その結果、ウクライナのL/Cは貿易保険が付与されていても買い取らないと銀行の方針が変わってしまいました!
この時は2,000万円程の取引だったのですが一瞬で回収の目途が立たなくなりました。もう、本当に頭を抱えました・・・
有価証券のB/Lだけは取り返さないと!
しかも、銀行はL/Cは買い取り出来ませんと言いながらB/Lは相手銀行に送ってしまっていました。このままだと現地で荷物が引き取れてしまいます。
何とか代金回収出来る方法は無いか、必死に考えました。
もうL/Cは諦めて、前金で払ってもらうしかないと考え、まずは荷物の引き取りを止める事をしました。
ますお客さんに
「B/Lに不備があって、修正するのに原本が必要だから送り返してくれ」
と、嘘のお願いをしました。B/Lが自分の手元にあれば、現地では荷物は引き取れません。
B/Lが手元に帰ってきたのを確認してから
「銀行が現在の情勢ではL/C買い取れないと言っている。あなたの会社の問題ではないことは重々承知しているが、我々ではどうしようもない。何とか前金で払ってくれないか?それまでB/Lは発送できない」
と非常に失礼な依頼をしました。
年齢も近くて非常に仲の良い社長さんだったのですが、このときばかりは烈火のごとく怒りましたね。当然だと思います。
最後はお互いの信頼関係
お客さんと電話で何度も相談し、出した結論が
「今週中に400万円送金する。残りは毎週200万円ずつ送金する。これが限界だ。」
と言うことでした。
このことを社長に報告し、
「本当に大丈夫か?」
と聞かれましたので、
「大丈夫です!」
と胸を張って答えましたが、内心では
「もしお客さんが払ってこなくて、2,000万円自分で補填しろって言われたらどうしよう?生命保険っていくら入ってたっけなあ」
なんてことを考えていました。人生で初めて宝くじを買ったのもこの時です。当たりませんでしたが。
お客さんは、銀行手続きの関係で週をまたぐことはありましたが、最終的には当初の約束通りしっかり払ってくれました。大変だったことは想像に難くありません。
全てが終わった後、ウクライナを訪問し、お客さんの社長とお互いにわけが分からなくなるまで飲みました。最後は男同士抱き合って泣いてましたね。
普段からの信頼関係あってこそ出来たことで、他の客先だったらここまでは出来なかったと思います。
今回も苦戦必至
今回のような状況でお客さんにお金払ってと言うのは正直辛いです。出来ればやりたくないです。
だけどそうも行かないので、何かアクションを起こさなければいけません。現時点ではまだどうしていいのかわかりませんが、慎重かつ迅速に、相手への思いやりを忘れず、対応しようと思います。
これを乗り越えたら海外営業として成長できるかなあ・・・
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